過失割合

過失割合とは

損害賠償の額を決めるにあたり、被害者側にも何らかの過失があるときには、その賠償額が減額されます。これを過失相殺といいますが、過失相殺をする際、当事者間のどちらがどれだけ過失があるかを決めるのが「過失割合」の問題です。

過失割合の基準化

交通事故損害賠償の実務では、迅速かつ公平な処理のため、事故態様毎に過失割合が類型化されており、東京地裁民事交通訴訟研究会編の「民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準」(別冊判例タイムズ第16号)が過失割合の基準となっています。

この認定基準では、事故態様毎に過失の基本割合を定め、道路の幅等の修正要素によって加算・減算して修正しています。

もっとも、実際には、駐車場内の交通事故等、上記認定基準の類型に当てはまらない事例もありますので、その場合には、できる限り近い類型を参考にしながら、事案ごとに適正な過失割合を検討することになります。

過失割合を決定する資料

上記のとおり、過失割合を決定する際には、事故の態様が問題となりますが、事故の態様を認定するうえで最も重要な資料は、警察の実況見分で作成される実況見分調書です。裁判では、ほとんどの交通事故事件が、実況見分調書によって事故態様が事実認定され、過失割合が決定されます。

従って、警察の実況見分は必ず立ち会いましょう。また、実況見分では、警察に対し、事故の内容について記憶どおりに述べ、作成された実況見分調書はよく読んで、内容が自分の記憶と一致しているか確認しましょう。

一度作成された実況見分調書は、後日の訂正は非常に困難ですので、実況見分調書の内容が記憶と異なるのであれば、後で不利益を被らないよう、事実と違う部分はその場で訂正を求める必要があります。

自賠責保険における過失減額

加害者に対する損害賠償の場合、過失割合がそのまま賠償額に適用されますが、自賠責保険については、同保険が自動車事故被害者の保護・救済を第一義の目的としていることから、以下の通り、重大な過失の場合に限り、減額されることとなっています。

減額適用上の被害者の過失割合 減額割合
後遺障害又は死亡に係るもの 傷害に係るもの
7割未満 減額なし 減額なし
7割以上8割未満 2割減額 2割減額
8割以上9割未満 3割減額
9割以上10割未満 5割減額