頭部(目・耳・鼻・口)

目の後遺障害

目の後遺障害は、眼球の障害と瞼(まぶた)の障害に大別されます。

眼球の障害には、視力障害、調節機能障害、運動障害、視野障害があります。また、瞼の障害には、欠損と運動障害があります。

いずれも、交通事故との因果関係を医学的に立証することが重要なポイントとなります。

耳の後遺障害

耳の後遺障害には、聴力障害、耳殻の欠損障害、耳鳴りと耳漏があります。後述の通り、障害の程度に応じて後遺障害の等級認定がなされます。

鼻の後遺障害

鼻の後遺障害には、鼻の欠損、嗅覚の脱失があります。後述の通り、障害の程度に応じて後遺障害の等級認定がなされます。

口の後遺障害

口の後遺障害には、咀嚼の機能障害、言語の機能障害、嚥下(飲み下し)障害、味覚の脱失・減退等があります。後述の通り、障害の程度に応じて後遺障害の等級認定がなされます。

頭部(目・耳・鼻・口)に関する後遺障害等級

一般的に、頭部(目・耳・鼻・口)について該当する後遺障害等級は以下のとおりです。

目の後遺障害

等級 障害の程度
1 級 1 号 両眼が失明したもの
【注】視力の測定は万国式視力表による。失明とは眼球を摘出したもの、明暗を判断出来ないもの、ようやく明暗を区別出来る程度のものをいう。
2 級 1 号 1 眼が失明し、他眼の視力が 0.02 以下になったもの
【注】この場合の視力とは矯正視力のことをいう。平成14年4月からコン タクトレンズによる矯正も認められるようになった。
2 級 2 号 両眼の視力が 0.02 以下になったもの
3 級 1 号 1 眼が失明し、他眼の視力が 0.06 以下になったもの
4 級 1 号 両眼の視力が 0.06 以下になったもの
5 級 1 号 1 眼が失明し、他眼の視力が 0.1 以下になったもの
6 級 1 号 両眼の視力が 0.1 以下になったもの
7 級 1 号 1 眼が失明し、他眼の視力が 0.1 以下になったもの
8 級 1 号 1 眼が失明し、又は 1 眼の視力が 0.02 以下になったもの
9 級 1 号 両眼の視力が 0.6 以下になったもの
9 級 2 号 1 眼の視力が 0.06 以下になったもの
10 級 1 号 1 眼の視力が 0.1 以下になったもの
13 級 1 号 1 眼の視力が 0.6 以下になったもの
調節機能障害
11 級 1 号 両眼の眼球に著しい調節機能障害または運動障害を残すもの
【注】眼球の著しい運動障害とは、ヘスコオルジメーターで眼球の注視野の広さが2分の1以下となったものをいう。
12 級 1 号 1 眼の眼球に著しい調節機能障害または運動障害を残すもの

まぶた

等級 障害の程度
欠損障害
9 級 4 号 両眼の瞼に著しい欠損を残すもの
【注】瞼を閉じた時に、角膜を完全に覆い得ない程度のものを いう。
11 級 3 号 1 眼の瞼に著しい欠損を残すもの
運動障害
11 級 2 号 両眼の瞼に著しい運動障害を残すもの
12 級 2 号 1 眼の瞼に著しい運動障害を残すもの
13 級 4 号 両眼の瞼の一部に欠損を残し又は睫毛はげを残すもの
【注】両眼の瞼の一部に欠損を残すとは、瞼を閉じた時に、角膜を 完全に覆うことが出来るが、白眼(球結膜)が露出している程度のものをいう。
14 級 1 号 1 眼の瞼の一部に欠損を残し又は睫毛はげを残すもの
【注】睫毛はげとは、睫毛のはえている周縁の2分の1以上にわたって睫毛のはげを残すものをいう。

耳の後遺障害

聴力障害

等級 障害の程度
両耳
4 級 3 号 両耳の聴力を全く失ったもの
【注】平均純音聴力レベルが 90dB 以上、又は 80dB 以上で、かつ、最高明瞭度が30 %以下のものをいう。
6 級 3 号 両耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することが出来ない程度になったもの
【注】耳に接しなければ大声を解することが出来ないとは、 80dB 以上又は、  50dB ~ 80dB 未満で、かつ最高明瞭度が 30 %以下のものをいう。
6 級 4 号 1 耳の聴力を全く失い、他耳の聴力が 40cm 以上の距離では普通の話声を解することが出来ない程度になったもの
【注】1 耳が 90dB 以上、かつ、他耳が 70dB 以上のものをいう。
7 級 2 号 両耳聴力が 40cm 以上の距離では、普通の話声を解することが出来ない程度になったもの
【注】両耳が 50dB 以上で、かつ、最高明瞭度が 50 %以下のものをいう。
7 級 3 号 1 耳の聴力を全く失い、他耳の聴力が 1m 以上の距離では普通の話声を解することが出来ない程度になったもの
【注】1 耳が 90dB 以上で、かつ、他耳が 60dB 以上をいう。
9 級 7 号 両耳の聴力が 1m 以上の距離では普通の話し声を解することが出来ない程度になったもの
【注】両耳が 60dB 以上、又は 50dB 以上で、かつ瞭度が 70 %以下のものをいう。
9 級 8 号 1 耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することが出来ない程度になり、他耳の 聴力が 1m 以上の距離では普通の話し声を解することが困難である程度になったもの
【注】1 耳が 80dB 以上で、かつ、他耳が 50dB 以上をいう。
10 級 5 号 両耳の聴力が 1m 以上の距離では小声を解することが出来ない程度になったもの
【注】両耳が 40dB 以上のものをいう。
11 級 5 号 両耳の聴力が 1m 以上の距離では小声を解することが出来ない程度になったもの
【注】両耳が 40dB 以上のものをいう。
一耳
9 級 9 号 1 耳の聴力を全く失ったもの
【注】1 耳の聴力を全く失ったものは、 90dB 以上のものをいう。
10 級 6 号 1 耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することが出来ない程度になったもの
【注】80dB ~ 90dB 未満のものをいう。
11 級 6 号 1 耳の聴力が 40cm 以上の距離では普通の話声を解することが出来ない程度になったもの
【注】70dB ~ 80dB 未満、又は、50dB 以上で、かつ、最高明瞭度が 50 %以下のものをいう。
14 級 3 号 1 耳の聴力が 1m 以上の距離では小声を解することが出来ない程度になったもの
【注】40dB ~ 70dB 未満のものをいう。
耳殻の欠損
12 級 4 号 1 耳の耳殻の大部分を欠損したもの
耳鳴り・耳漏
12 級相当 30dB 以上の難聴を伴い、著しい耳鳴を常時残すことが他覚的検査により立証可能なもの
30dB 以上の難聴で、常時耳漏を残すもの
14 級相当 30dB 以上の難聴を伴い、常時耳鳴りを残すもの
30dB 以場の難聴で、耳漏を残すもの

鼻の後遺障害

等級 障害の程度
9 級 5 号 鼻を欠損し、その機能に著しい障害を残すもの
【注】鼻の欠損とは、鼻軟骨部の全部又は大部分の欠損をいう。機能に著しい障害を残すものとは鼻呼吸困難又は嗅覚脱失をいう。鼻の欠損は外貌の醜状でも判断が可能です。
12 級相当 嗅覚を脱失又は鼻呼吸困難が存するもの
14 級相当 嗅覚の減退するもの

口の後遺障害

等級 障害の程度
咀嚼・言語の機能障害
1 級 2 号 咀嚼及び言語の機能を廃したもの
【注】咀嚼機能を廃したものとは、流動食以外は摂取出来ないもののことをいう。
3 級 2 号 咀嚼又は言語の機能を廃したもの
【注】言語の機能を廃したものとは、 4 種の語音の内、 3 種以上の発音不能のもののことをいう。
4 級 2 号 咀嚼及び言語の機能に著しい障害を残すもの
【注】咀嚼機能に著しい障害を残すものとは、粥食又はこれに準ずる程度の飲食物以外は摂取出来ないもののことをいう。
6 級 2 号 咀嚼又は言語の機能に著しい障害を残すもの
【注】言語の機能に著しい障害を残すものとは、4 種の語音の内、2 種の発音不能のもの又は綴音機能に障害があるため、言語のみを用いては意思を疎通することが出来ないもののことをいう。
9 級 6 号 咀嚼又は言語の機能に著しい障害を残すもの
【注】言語の機能に著しい障害を残すものとは、4 種の語音の内、2 種の発音不能のもの又は綴音機能に障害があるため、言語のみを用いては意思を疎通することが出来ないもののことをいう。
10 級 3 号 咀嚼又は言語の機能に障害を残すもの
【注】言語の機能に障害を残すものとは、 4 種の語音の内、 1 種の発音不能のもののことをいう。
歯牙の障害
10 級 4 号 14 歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
11 級 4 号 10 歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
12 級 3 号 7 歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
13 級 5 号 5 歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
14 級 2 号 3 歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
嚥下障害
咀嚼の機能障害の等級を準用します
味覚の脱失・減退
12 級相当 味覚を脱失したもの
14 級相当 味覚を減退したもの
特殊例
10 級 3 号 気管カニューレの抜去困難症である場合
6 級 2 号 半永久的に抜去が困難な気管カニューレの抜去困難症である場合